海藻パワーに注目!
その豊富な要素と効果、使いやすさが受けています

近年、園芸や農業に海藻資材が使用されているのをご存じでしょうか。

今回ご紹介するのは、北欧の荒々しく冷たい海で採れる海藻。その名をアスコフィルムノドサムといいます。

海藻の有用性は欧米でも注目されており、有機農法に応用されています。国内では、農業でかなり知られており、当サイトでも2000年からご紹介してきましたが、園芸分野ではまだまだ広く知られているとは言えませんでした。ところが、近年、バラや種苗生産で利用されるケースが増えてきているのです。

. .海藻は何に使うのか?

海藻を使う目的は、ひとことでいえば、植物の生理活性化です。
植物の栽培には基本となる3つの柱、環境・生育・防衛 があります。

  1. 環境…生育の基本としての土壌づくり、日照や温度管理などの環境整備
  2. 生育…適切な養分補給と生理活性化
  3. 防衛…外敵の防御(または防除)

このうちの 2. が主目的となります。特に生理活性化、つまり、植物の生命活動をより活発にするために通常の土壌肥料だけでは足りないものを補うことが目的で、生理機能を向上することで根茎葉の生育が促進され、養分の吸収がさらに効率よく行われるという相乗効果がねらいです。

コラム...岩を土にする漁村

ヨーロッパ西南部の漁村地帯で、畑を作るのに海藻を利用しているところがある。一帯は地盤が岩であるため、通常では農作物など栽培できるはずがない。だが、この地域の人々は岩を削って平らにし、ここに海岸で採れるいろいろな海藻を積んで腐熟させ、10年間待つという。いわば海藻の堆肥を作るわけだ。だが、驚いたことに、10年経つうちに岩も一緒に土になってしまうらしい。
作物はよく採れる。考えてみれば、岩も海藻もミネラルを豊富に含んでいるのだから理にかなっていることだ。その自然の力にもすごいものがあるが、ここの人々は、10年という長い年月をひとくくりと考え、自然の素材と知恵を活かして、同じように遠い昔から生活を営んできたのだ。

. .なぜ海藻はいいのか

海藻には植物の生命活動に必要な物質がほとんど含まれています。その成分は、三要素のNPK、炭水化物(水溶性食物繊維としての多糖類)、ミネラル、ビタミン、アミノ酸、植物生長ホルモンなどで、これらが、天然の形でバランスよく含まれています。
これらの成分から、次のような効果が期待できます。

  • 炭水化物……光合成細菌や土壌バクテリアのエサになります。
  • ミネラル……光合成、核酸や各物質の生合成、代謝、細胞分裂を促進します。
  • アミノ酸……じかに吸収され、タンパク質、核酸、酵素、ホルモンなどの合成に直接、関与します。
  • 植物生長ホルモン……発芽・萠芽促進(種子・新芽・ロゼットの休眠打破、好光性種子の暗発芽化)、発芽・萠芽後の生長促進、生長点の活性化、発根と根の伸長促進、老化防止、カルス形成と発根促進、果実肥大、耐寒性強化、ほか

植物に含まれている天然物質をそのままの形で吸収できるということは、中間的な化学反応を起こすことなく、直接、生理機能に作用する機会が多くなり、しかも不用物質の残留もきわめて少ないということです。また、ミネラルや植物ホルモンなどはごく微量で機能するため薄い濃度で与えることができ、散布による障害は発生しにくいのです。もちろんコストパフォーマンスもよいということになります。

植物に必要な栄養素などについての詳しい解説は、インフォグリーン園芸基礎講座植物と栄養・初級~中級編」をごらんください。

. .植物全体にはたらきかける

海藻資材には、土壌に混ぜる粉末タイプと葉面散布・灌水で利用するエキス資材があり、根と茎葉の両方から吸収させることもできます。物質の中には植物体内移行の小さいものもありますから、土壌からだけでなく、葉面散布で植物全体に均一に作用させられるのは合理的と言えるでしょう。



. .いつ使うのか?

播種期から収穫(観賞)期まで常時、使用されています。

10月は、播種・育苗、挿し木・挿し芽、株分けなどの繁殖や、球根の植付けの適期ですが、タイミングとしてはちょうどいい時期でしょう。夏の疲労や果実の収穫後における体力回復、夏の休眠を打破したあとの生育促進の意味でも、この時期の施用または葉面散布が効果的です。また、施設園芸や庭にミスト装置や自動灌水装置を設置している場合は、エキスを少量溶かしておくという方法も用いられています。

インフォグリーン園芸基礎講座「植物と栄養・初級~中級編」
海藻資材製品情報

(2001.10.1)





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