どうする? 園芸廃土(1)

今年(2003年)に入って早々に、当サイトの視聴者の方から「古土」についてのご意見をいただいた。不要になった園芸用土の捨て場所に困っている話はよくあるが、すでに社会問題となっていることは意外と意識が薄く、マスコミ等でもまとまった形でとりあげられることがない。

一般には、一度栽培に使用された土は病虫害を受けたり雑草の種が混入したりで栽培条件が悪化しているとみなされている。それを称して「古くなった土」というらしい。時間が経過したから「古土」なのだが、はたして土は古くなるものだろうか。結論からいうと、私は、土は常に生きているものであり、古いも新しいもないという考え方だ。

家庭園芸ではどうしても鉢やプランターなどのいわゆるコンテナ栽培が多くなる。コンテナ栽培は気温や灌水による温度の影響や過湿・過乾燥など、条件変化の落差が大きく、植物の生育条件としては過酷なものがある。まして、化学肥料や化学合成農薬による栽培指導が大勢なのだから、残留物質、使用量の不適切などで、次第に植物の生育条件が悪化するのは当然である。

ともかく、視聴者の方のメールをご紹介し、これに回答する形で、数回に分けて記事掲載することとした。

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[投稿者:大阪在住女性]

最近、ちょっとした“出来事”がございまして、以来、ある事柄を、サイトで取り上げていただけないだろうかと思うようになりました。

それは、古土の処理方法です。長いメールになるとは思いますが、最後までお読みいただけましたら幸いです。

私はマンションのベランダで園芸を楽しんでおります。再利用を試みても、どうしても古土がたまりがちになります。

“出来事”と言いますのは、古土の処理方法を自治体(寝屋川市)に問い合わせたときのことです。状況を説明し、「再生資材などを混ぜても、100%の再利用は無理ですので、自家処理しきれない古土について、どのように処理すべきかご教示ください」と問い合わせたところ、帰ってきた回答は「自家処理してください」でした。

自家処理できないので、どうすべきかと問い合わせているのに、自家処理してくださいという回答は何とも的はずれですが、それはそれとして、そもそも市とこちらの意識に大きな溝があることを感じました。なぜならそこには、「市は土を廃棄物と考えていない」と書いてあったからです。しかしながら、家庭園芸家にとって、古土はやはり廃棄物です。

いくつかのサイトを当たってみたところ、私と同じ悩みを抱えている人は他にもいることがわかりました。その人たちの解決方法のなかには、ある程度ためておいて、民間の廃棄物回収業者にお金を払って引き取ってもらうというものから、小分けにして、コンビニのゴミ箱にこっそり捨てるというものまでありました。

園芸書に目を向けるとどうでしょうか。天日殺菌して腐葉土、再生資材、新しい用土を何割か混ぜ、再利用する方法がよく案内されています。しかし一方では、清潔な新しい土を使いましょうと言う記述もあるわけです。家庭園芸家としては、特に大切な植物、デリケートだと考えられる植物には新しい用土を使い、比較的丈夫と思われるものや、たとえ枯れてもすぐに近隣で購入できる普及性の高い植物、あるいは嫌地現象の心配のないものには古土を使うというのが現実ではないでしょうか。

私個人としては、再生率を上げるために、

  1. 形の崩れにくい資材と有機質を組み合わせることで、できるだけ再利用しやすい用土配合を考案する(日向土やイソライトなど、比較的形を維持できる資材を多用すれば、使い回しが効くかもしれません。このような用土に、減った有機質をふたたび加えることで再利用できないかと考えています)。
  2. 市販の培養土の中で、上記のような性質を持つものを見つける。

といったことを試みようとしています。しかし、それでも100%再利用し続けられるかどうかはわかりません。花は育てたいが、古土を100%再利用できない。土に返してやりたいと思っても、処理する場所がないという深刻な悩みは、家庭園芸家の努力だけでは、解決できないのではないかと思えます。

現時点で希望するトピックとしては、まず、家庭でできる古土の処理方法を上げたいと思います。

しかし、一般の園芸書に書かれているような「殺菌と腐葉土あるいは再生材の追加」といった程度の内容にはとどまって欲しくありません。可能であれば、再利用してもなお余る古土の処分方法についてまで論じていただければありがたく思います。また、再生を前提とした用土配合(効果的に再生できる用土配合)があればご紹介いただきたいと思います。

さらには、買い手だけでなく、売り手側がこの問題についてどのようなアプローチをとっているかについても、論じていただければありがたく存じます。

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次回以降は、これらの1つ1つにお答えする。

(つづく)

2003.4.30

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