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下の植物は、よくアブラムシなどの被害に悩まされるユリオプスデージーです。この株が植えられている場所は、わずかの雑草しか育たないような、砂利だらけの固い土壌(右画像)。
庭のいろいろな場所での生育適性を調べる一環として、ブロック塀の下部に、レンガを並べ(ゴム系コーキング材で固定。内寸38×7×15cm。底はなく露地面。'95年設置。左図)、ここに培養土を入れてパンジー、ビオラ、マツバギク、ポーチュラカ、シロタエギク、クリサンセマムなどを植えていました。しかし、この場所は日当たりはいいものの、なぜか病害虫の被害が多く、どの植物もうまく育ちません。もっとも、土が少なく、底が固く、乾燥しやすいので生育条件としてはきわめて厳しいものです。 ここに、ユリオプスデージーの苗を1998年に植えつけました。
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秋に満開状態のユリオプスデージー。株の直径は1m以上。この花着き状態になったのは海藻導入後。 その経過とは... |
1年目(1998年):土に腐葉土+ミリオン(珪酸塩白土)を混ぜて苗を植え付ける。両脇には、近辺表土の乾燥防止と美観を兼ねて、アイビーを1株ずつ混植する。 生長期に液肥を月1~2回、計5~6回与える。ユリオプスデージーには虫がよく着く。株は直径30~40cmまでになるが、つぼみは上がるものの、アブラムシ、バッタ、ナメクジの食害にあい、秋以降まったく開花しない。
10cmぐらい残して強剪定し、越冬。 (バッタはショウリョウ、トノサマ、キリギリスなど。ただ、昆虫が生息してくれていることはうれしい)
2年目(1999年):春の萠芽後、生長期に液肥をトータル5回。株の直径40cm前後。またもや虫に食べられて生長が悪い。やはり、つぼみは上がるものの、食べられるか育たないため、開花に至らない。数輪咲いてもすぐ食べられるありさまで、花が満足に見られたためしがない。
10cmぐらいに強剪定して越冬。
3年目(2000年):春の萠芽後、生長期に液肥5回。海藻の使用を開始する。
海藻エキスをごく薄くして4〜5回葉面散布。うち2回は病虫害予防と生育促進を兼ねてリフレッシュ(珪酸塩白土、500倍)も混ぜて散布。株の直径が60cm程度に生長。植えつけ以来、秋に初めて開花。 花数が増える。アブラムシ、バッタ、ナメクジは相変わらずつくが、被害が目立たない。生長力のほうが勝っているようだ。 剪定を20cmにして越冬。
4年目(2001年):春の萠芽後、生長期に液肥を5~6回与える。シードリップ2,000倍液を開花期までに10回以上散布。うち3回はリフレッシュも混ぜる。 アブラムシ、バッタ、ナメクジは相変わらず出る。 7月下旬から一気に開花が始まる。枝の先端に数本の花茎が上がり、ここからさらに3枝に分枝して生長、それらの先端にも次々とつぼみが数個ずつ着く。これが何度か繰り返され、株が次第に大きくなる。その結果、上に掲げた画像のように株の直径が約1mに(10月7日)になる。花茎や頂芽近辺には相変わらずアブラムシ、バッタ、ナメクジなどがついているが、負ける様子がまったくない。
50cmを残して剪定。
真冬も開花中で、まだつぼみが上がってきています(右画像、2001年12月7日時点)。株元は幹が直径3cmぐらいに太くなり、木質化しています。
限られた環境でこれだけの大株になり、しかも開花に至るのは、相当、根が張っている証拠。この植物の根は砂利の間を突き抜けて、いくらか固い土壌にのびていっていると思われます。株元を動かしたり、かなり強く引っ張ってみてもまったく動きません。
植物の根が張った土壌は、自然に団粒化し、植物の生育に適した環境になっていきます。というよりも、植物は、みずから自分が生きやすいように生育環境を変えていく力をもっています。このユリオプスデージーの場合も、経過からすると、海藻によってその力が大きく引き出されたと考えるのが妥当でしょう。
検体としての比較株をつくっていないため、結果の判定は筆者の判断に因ることをご了承下さい。今後、対照区と比較した結果なども掲載していく予定です。
2002年春、ユリオプスデージーは枝の途中からたくさんの新芽が萠芽しました(右画像)。海藻のためとはまだ断定できませんが、今年はアブラムシが少ないようです。(ミネラルのうちのある種のイオンは害虫に対する忌避効果があるとされています。)
北面の比較的明るい日陰の湿地に地植えしたムスカリ(左画像。植付け時に海藻粉末、ミリオンを土に混ぜる。他は無肥料。2001年植付け)にも立派な花が咲いています。
また、入手時以来、2シーズン開花したことのないカロライナジャスミンにも、ようやく花が着きました(左下画像)。
日照りやウドンコ病のせいで満足に花が着かなかったレッドカランツ*の5年目株にもたくさんの花が咲きました(下注写真)。これに限りませんが、実が生るには、受粉のためにハチなどの力を借りる必要がある場合が多々あります。むろん、農薬は使用できません。さもなければ、人工受粉を行うか、ホルモン化学製剤を花のめしべに投与して擬似的に受精状態をつります。しかし、後者のやり方では、野菜・フルーツは味や品質が落ちることを覚悟しなければなりません。
これらの植物にはシードリップを2001年から葉面散布と灌水で施用しています。それ以来、このように、庭にいくつかの変化が起こったのがわかります。
*レッドカランツ=フサスグリ(下画像)。花は前年育った2年目の枝に着く。結実した枝は育たないので収穫後に剪定。比較的土質を選ぶが、育てやすい。品種によっては日本で育たないものもある。ウドンコ病や真夏の暑さ、乾燥に弱い。
冬、気温が下がると、植物は活動が低下します。休眠株は根が機能しなくなり、土から養分を吸収できません。でも、ナチュラルなシー ドリップなら葉面散布してもまったく問題ありません。
熱帯性観葉植物やラン、多肉植物、サボテン、一部の多年草などは、冬季に室内やフレーム(温室)に取り込みますが、日中、気温が上昇して生理活動を行う時間帯には、即効的に作用して代謝を助ける葉面散布が有効です。
植物は海藻に含まれる成分を葉から直接吸収して元気になり、寒さにも強くなります*。秋にタネを播いて、冬季に戸外やフレームで育苗する耐寒性、弱耐寒性の草花や、さし芽・株分け苗などもまた同様です。
* 寒さに弱い柑橘類に海藻を施用して、収量が倍増し、果実の耐霜性が高まり、貯蔵寿命が長くなることが確認されている(1966、68、74年、海外文献による)。ある種のミネラル(イオン)や植物生長ホルモンには、植物の耐寒性をアップするはたらきがあることが知られている。
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