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1.2)エコロジカル・ランドスケープへの道(2)
ガーデニングにも目的意識を
現在の「園芸熱」には何か意味があるのか、それを考えたときに、以前のペットブームのことが脳裏をよぎりました。ブーム(boom)とは、一時的な盛り上がり、にわか景気といった意味です。流行に乗り、自己満足のために入手した高価な血統書つきのペットさえ、手に余るというだけの理由で捨てられる、そういう現象が植物の分野でも起こってしまうのでしょうか。
私が先に「園芸熱」と表現したのは園芸がブームでもファッションでもあってはならないと願ったからです。もし過熱気味の園芸熱が多少冷めるとしても緩やかなものであってほしい、そしてその過程で重大なことをもっと意識してほしいと思うのです。
地球が危機的状況から少しでも抜け出すために、いつ、誰が、どこで、何をすべきなのか…それを考えると、園芸(この場合ガーデンデザインやランドスケープも含むトータルなもの)への関心の高まりは非常に大切なものを含んでいるように思います。深刻な危機から地球を救うことは、おそらく今世紀の人類に残された最大の課題でしょう。そのために人々にできることは限られています。
人類が自己の利益のために失ってきた緑の空間を、たとえ少しずつでも、ガーデニングの楽しみを通して増やしていくことは難しいことでしょうか。欧米の環境問題に対する意識は、国家レベルから一般国民にいたるまでかなり高いもので、園芸、農業、林業などの分野においても徹底されてきているようです。
エコロジカル・ランドスケープという考え方
われわれの住む地球を守るという目的意識が指導者や一般人にあると否とでは、園芸への取り組み方や定着度、普及度はおのずと違ってくるように思います。大きな共有空間に生きている自覚を持って、少なくともひとつの共通の目的意識を抱き、万人に普遍のバックボーンとすることは、園芸やそれに携わる人々に必要とされるところではないかと思うのです。これらのことは、今、エコロジカル・ランドスケープという考え方で、全世界に浸透しつつあります。
ランドスケープとは、ご存知のように、アメリカでおこった、造園・園芸技術を含む景観デザインをいいますが、もともとは、新鋭といわれた造園家達が、科学の時代にふさわしい形で現代人の理想を実現しようと推進した造園活動で、後に世界の先進国に伝播していきました。今世紀および次世紀以降の最重要の課題は環境保護であり、今やこれ抜きにしては造園もありえないとまで考えられるようになってきました。これをとくにエコロジカル・ランドスケープと呼んでいるのです。
技術や表現様式、センスといったものは不可欠のものではあるけれども、それだけに拘泥していたのでは、もはやその先はないという気がしてなりません。欧米はキリスト教が歴史の背景にあり、奉仕的精神が日常のものであるからエコロジカル・ランドスケープの考え方が浸透しやすいのでしょうか。その呼び名は何でもよいと思います。私は、日本人にキリスト教とは違った独自の自然観があったとしても、相容れない生き方だとは少しも思わないのです。危機にある今、園芸を通じてやらなければならないことは、少なくともひとつはあるのです。
あることを始め、続けていく過程では様々なトラブルに見舞われるものであり、やめたくなるときもあるでしょう。園芸の場合、そのとき技術面でも精神面でも人々の支えになれるのが、ガーデンデザイナーやランドスケープ・アーキテクト、バイヤー、園芸家、マスコミといった指導者的立場の人々なのではないでしょうか。
(つづく)
サイト掲載:2000.4.2
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