1.3)エコロジカル・ランドスケープへの道(3)

園芸界の現状を考える

 地球温暖化に対する対策として、バクテリアや藻類による二酸化炭素の固定化、あるいはボツリオコッカス菌による再燃料化など、日本でも大企業を中心に研究が進められています。

 園芸界でもエコロジーが意識されてきたのは、ごく近年のことではないでしょうか。

 エコロジー問題は、産官学の協力が不可欠であると思われますが、まだ園芸界ではそういう関係が確立しているとは到底思えません。国の緑化推進や大学での研究は必ずしも歴史が浅いとは言えません。しかし、企業のPRを見渡してみても、エコロジーを切り口にして園芸をアピールしたものに出会うのは、けっして多くはないでしょう。これだけ環境問題が世界的に問題になっていながら、貢献できる要素を多分にもっているはずの園芸界全体が率先して提唱しないことが不思議でなりません。

 園芸書が売れるという理由だけで、紋切り型の誌面構成をしていると、そのうち飽きられてしまうのは目に見えています。気軽に、楽しく、誰にでも、というのは基本には違いありませんが、雑誌がどれも同じではいささか食傷ぎみになることもあります。少なくとも私が見た範囲では、エコロジーをテーマとした園芸の特集や連載に出会ったことはありませんでした。情報の発信者の持つコンセプトとはその程度なのかと疑問をもつこともしばしばです。

 5月下旬、東京ビッグサイトで「エコ・グリーンテック'98」(第2回)が開催されました。エコロジーを主旨として園芸界で催されたイベントはこれが最初でしょう。

 昨年(1997年)の晴海での第1回目の開催に比べると、参加企業も増え、ずいぶん意識が形になってきたと感じました。しかし一方で、全体を統括あるいは牽引していくものが何なのか、はっきりとは見えなかった一面がありました。資材、ハード、浄水やソーラーのシステム等、個々のアピールはなされても、統合していく何かがなければ、宝の持ち腐れになるでしょう。私がエコロジカル・ランドスケープに大きな関心をもつ最大の動機はここにあります。なぜなら、エコロジカル・ランドスケープには建築、造園、施設管理技術、資材、園芸手法、デザイン性、植物、土壌、地形、気象などあらゆる要素が含まれ、包括的な考え方と各方面の協力関係が必要とされるからです。

 ランドスケープを積極的に取り入れた家造りを10年前から行ってきた住宅企業にミサワホームがあります。現在は国の補助を受けてソーラーシステムを組み込んだ住宅を開発し、またシステムガーデンや屋上緑化システムの推進、衛星放送「ホームチャンネル」を利用したガーデニング番組の放映などを行っています。これは産官学が噛み合った、先見的な、示唆に富んだよい例ではないでしょうか。

 園芸関連産業全体においても、個々のノウハウをどのように統合し普及させていくかが、今後の課題であるように思います。

(つづく)

サイト掲載:2000.4.11




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