1.9)モンモリロナイトの効用(3)土を育てる

自然のしくみを考える

植物が住みやすい環境をつくるには、まず固くて息苦しい土をほぐし、やわらかく生きた土にする必要があります。園芸でも団粒化という人為的な作業は不可欠のものですが、次のように、自然界にも団粒構造を生成する要素がいくつか存在しています。

 人為的な土壌団粒化の方法としては、すでに述べた耕耘や腐植質の混入の他に、カルシウムの施用があります。カルシウムは粘土の単粒子が電荷によって集結するのを助ける働きがあります。

土壌のConsistency

適度な湿り気を持った土壌は、外圧を加えた際、粘土細工のように変形した形をそのまま保っている性質があります。これを「塑性」と言います。土が半乾きになった状態では塑性は失われ、土はもろくやわらかい「半固態」になります。土を耕すのはこの状態が最適です。さらに乾燥すると、土はカチカチの「固態」になります。逆に水分が多くなると、土は流動的になり、塑性を失って「液性態」になります。この一連の関連をコンシステンシー(粘度)といいます。

土壌は、適度なコンシステンシーのある塑性状態において団粒構造を形成しています。

塑性状態にある上限と下限の幅を塑性指数といいます。塑性指数の高い(=塑性の幅の広い)用土は、より乾燥ぎみでも団粒構造を保持して軟らかく、またより多くの水分を含んでも流動化しない保水性の高い土壌です。つまり、植物に適した土壌の性質があることを今は別にすれば、多くの場合、塑性指数の高い土ほど植物の生育に適しているのです。

塑性指数は、腐植質を多く含むほど高くなりますが、腐植質が多すぎると乾燥しやすくなるため施用量に注意を要します。

塑性に直接関係する粘土については、粘土成分を多く含む土壌ほど塑性指数は高くなります。また、粘土の中でも特に、2対1型粘土であるモンモリロナイトを含む土壌は、他のどの粘土鉱物の場合よりも高い塑性指数を示します。モンモリロナイトはその含水と置換イオンの化学的性質だけではなく物理的性質の点でも注目に値する粘土鉱物なのです。

塑性指数の高い土壌を耕すと、団粒構造は壊れて物理的特性が失われ、植物を栽培する土壌としては劣化してしまいます。良い土ほどいじってはならないということです。

土は、毎年そのつど手を加えて改良していくと、毎年その負担が少なくなり、年ごとに植物のよく育つ土に生まれ変わっていきます。いい土ほど手がかからなくなるのです。
私自身、プランターに土を入れっぱなしの状態でどこまで土が応えてくれるのか、数年にわたって試してきました。結果は、思い描いていた以上のもので、今ではプランターに多くのミミズが住み着いています。またミリオン(=モンモリロナイト)を使用した土では、植物によっては成果に歴然とした差が出ることも分かり(特に野菜や果実)、トップレベルの粘土としての性能を堪能しました。

はじめに丹誠込めて土を育てれば、植物はひとりでに健康に育つようになり、それだけ園芸そのものにかかる労力も減ります。捨てなければならない土など、文字通りミジンもないのです。
昔こそタダのように山を掘っていた土ですが、近年は園芸用土を確保することさえ困難になり、客土も気安くできなくなりました。そして一方では、園芸愛好家が土の捨て場に困っている……これはやはりどこかおかしな現象としかいいようがありません。

(つづく)

サイト掲載:2000.7.7




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