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1.14)どこへ行く? 日本のガーデニングちょっとした思い違い
1999年11月11~13日に東京・有明のビッグサイトで「ジャパンガーデニングフェア」が開催されました。今年が2回目で、未発表の製品も展示され、新世紀へのガーデニングが示唆されるということで、少なからず期待をいだきつつ、私も初日に出かけました。
前年は初回だったこともあって、雑然とした雰囲気でしたが、今年は全体がどことなく洗練された感じがしたように思いました。会場全体のレイアウトの工夫がどこまで検討されたのか、印象はあまりインパクトのあるものではなかったのですが、ブースによってはガーデンデザインの素材やディスプレイが吟味されていると明らかに分かるところもあり、そういったものが多少とも熟練や洗練を感じさせたのではないかという気がするのです。 一部では、ひところのガーデニングブームは去ったとささやかれており、その意味でも今回のフェアは興味深いものでしたが、思いのほか人出が多く、ブームとはまた別の力、あるいは流れが起こっているかのようにさえ思われるほどでした。
ただ、ブースひとつひとつを見ている限りは、どれが2000年、さらには未来に向けてのガーデニングなのか、日本のガーデニングを牽引していくものという意味で、これといったものをつかめないまま会場をあとにしなければならなかったのは残念でした。あえて、未来形であるものを挙げるとするならば、2つの方向性は感じとることができました。 ひとつは、エコロジーが資材やガーデニングの手法にかなり浸透してきた観があるということ、もう一つは、インターネットを利用した商法を取り入れる企業が増えてきたということです。
前者については、多くはまだ商品開発レベルのものであるため、それらが有機的に結びついてどのような潮流を形づくっていくのかまでは発見することができませんでした。エコロジーを根底に据えたトータルなガーデニングを形成するには、まだ、いくつかの段階を経なければならないように思いました。
後者については、ホームページ上で自社製品をPRするか、オンライン販売する程度のもので、まさに今のデジタルメディアのブームを反映したものであると言えるのですが、私が園芸サイトを立ち上げた97年にはほとんどWEBサイトが存在しなかったこと、当フェアが開催された99年11月にようやくそれらに目を向けようとする企業が現れはじめたことを考えれば、大きな進歩なのかもしれません。しかし「(WEBでは)企業を売って商品を売らない」と欧米から非難される日本のWEBの世界が、どこまで熟成し、園芸界にうまく浸透していくのかは、まさに始まったばかりの現段階では皆目見当がつきません。
このふたつが主催側の意図したものでないとするならば、未来形のガーデニングのコンセプトとは何だったのか改めて知りたいと思うのです。たとえば、会場の真ん中あたりに英国大使館主宰のブース群を配した意味は何だったのか。次に何をしたらよいのか……。
私は今回のフェアで、印象的な光景を見ました。ひとつは、日本の由緒ある陶器を扱う業者が、アングロサクソン系とおぼしき外人を相手に、テーブルをはさんで商談をしているところでした。いわく、○○焼には皿などもある、それはヨーロッパのマイセンに匹敵するものだ、だから、買ってほしい、と。注意深く、ブロークンイングリッシュに耳を傾ける外人は、どう返答してよいか、迷っている様子でした。○○焼がどの程度名もさることながら、何がその焼き物のよさなのか、その説明を求めていたのでした。
もうひとつは、これもアングロサクソン系と思われる外人を、ある女性がフェアに案内している光景でした。二人が会場に入ってくると、初老の外人紳士はおもむろに会場を見渡し、洒落た趣向で庭をディスプレイしたブースの前で、付き添いの女性に尋ねました。ガーデンデザインはどこでやっている、ガーデナーたちの作品はどこにあるのか、と。その女性は、困った様子で会場を見回してみましたが、それらしいものはありませんでした。
おそらく、これでは何の答えにもなっていないと思いますが、日本人のある種の「思い違い」というものを私は感じたのでした。
西武球場で行われたバラの展示会でも、すばらしいガーデンデザインも披露されていましたが、作品の質はともかくも、ガーデンデザイナーの多くはわずかなスペースに押し込められていました。そして、植栽の植物名も明かされず、来客達は手法すら学ぶことができなかったのです。いや、少なくとも私は、何を学べばよかったのか、よく分からなかったのです。
(つづく)
サイト掲載:2001.3.3
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